8月末、友人たちと中国・四川省の西部へ山歩きに出かけました。現地のガイドに貢嘎山(ミニヤコンカ)を望める峠の場所を教えてもらい、自分たちで向かい、標高4,000mを超える山の上で一泊することにしました。チベットに近い四川省西部は、標高の高い山々と雄大な景色で知られています。貢嘎山は四川省の最高峰で、「蜀山の王」とも呼ばれる山。最新の公式測量による標高は7,508.9mです。出発するときは、とにかく晴れて、山の姿がよく見えることを願っていました。
今回も使ったのは、Pa'lante V2 with Joey straps。一泊の行程には、私にとってちょうどよい容量でした。まだ夏の終わりとはいえ、標高4,000mを超える場所では夜になると冷え込みます。暖かい寝袋とダウンジャケットに加え、夜間に脚を保温するためにAlpha leggingsも持っていきました。

同行した友人の中には、あまり山歩きの経験がない人もいました。幸い、距離はそれほど長くなく、傾斜も比較的緩やかだったので、無理のないペースで歩けました。ただ、道が歩きやすくても、この標高では普段どおりには進めません。何度か休憩を挟みながら、いつもよりずっとゆっくり歩きました。幸い、誰にも重い高山病の症状は出ず、急ぐこともなかったので、途中の景色を楽しみながら峠を目指しました。
道沿いには、野生のキノコがたくさん生えていました。この辺りにはキノコを採って売り、収入の足しにしている農家も多くあります。この年は雨が少なく、松茸も高くなっていました。途中では、イノシシのように見える動物の死骸も見かけました。死んでからそれほど時間が経っていないようでしたが、何の動物なのかは、はっきりわかりませんでした。

歩いては休みを繰り返し、日没前になんとか峠に到着。急いでテントを張り、荷物を片づけて夕日を待ちました。この日は運がよく、雲に遮られることなく、貢嘎山の全体がはっきり見えていました。夕日が雪に当たると、山頂が少しずつ金色に染まっていきます。私たちはテントのそばで、最後の光が山から消えるまで、しばらく眺めていました。


その日はちょうど満月でした。暗くなってからも、月が大きな照明のように辺りを照らし、貢嘎山の輪郭はくっきりと見えていました。山の周囲では雲が速い勢いで動き、その中で何度も稲妻が光っていました。やがて雲は山肌にぶつかり、次第に消えていきました。月明かりに照らされた雪山と、その周りを動く雷雲。これまであまり見たことのない景色で、こうした山を前にすると自然に畏敬の念が湧くのも、よくわかる気がしました。

山を眺めたあと、ようやく夕食の準備を始めました。メニューは、お湯で戻すご飯と味噌汁だけ。一日歩いたあとは、温かいご飯と汁物があるだけで十分です。食事を終えて片づけると、早めに寝袋に入り、ほどなく眠りにつきました。
ところが真夜中、テントの外で動物が動く音がして、目が覚めました。以前、この辺りには野生動物が多く、オオカミやチベットヒグマが現れることもあると聞いていたので、一気に緊張しました。チベットヒグマは、チベット高原に生息する大型のヒグマの亜種です。そのことが頭に浮かび、誰も声を出さず、じっと外の音を聞いていました。しばらくして、おそらくヤクだろうと思い、少し安心しました。ヤクは寒冷な高地の環境に適応した動物で、この地域では家畜としてもよく飼われています。ただ、姿をはっきり見たわけではないので、本当にヤクだったのか、地元の牧民が放牧していたものなのかは、結局わかりませんでした。
翌朝は日の出も見られましたが、その後は天気が急に変わり始めました。雲が増え、雪山も少しずつ隠れていきます。予報では雨になりそうだったので、長居はせず、テントを撤収して下山しました。こうして二日間の旅は終了。短い滞在でしたが、夕日に金色に染まる貢嘎山、満月に照らされた姿、そして翌朝の日の出まで見られたので、十分に満足できる山行になりました。


